糖尿病内科
糖尿病内科とは
糖尿病の主な原因は遺伝、生活習慣、肥満と言われています。遺伝以外の要因については普段からの生活習慣を改善することで発症の可能性を下げることができますので、定期的に糖尿病の診察を受ける事をおすすめいたします。
糖尿病内科での主な対象疾患
次のような症状を扱っております
- 尿量が多い、尿の回数が多い
- 口が渇く
- 体重が重い、痩せてきた
- 尿に糖がでる
- 血糖が高い、血糖が低い
糖尿病内科の主な検査内容
- 血糖値の測定…糖尿病の有無、その治療や管理の指標として欠かせません。
- 尿糖の測定…糖尿病のスクリーニング(ふるいわけ)検査として行われます。
- ブドウ糖負荷試験…糖尿病の診断をします。
- C-ペプチド(CPR)…膵臓から分泌されているインスリンを測定することができます。
- HbA1c…過去1~2カ月の血糖の平均的な状態を知ることができます。
- 1.5AG…血糖変動の安定性を示す指標として利用されています。
- 24時間持続血糖測定…一日の血糖値の変化を約一週間にわたり連続して記録することができます。
- 尿中アセトン体(ケトン体)…インスリン不足の状態を示します。
- 尿酸…痛風や結石の原因となる血清中の尿酸の濃度を測定し、病気を診断します。
- 特定健康診査…国のメタボ対策の柱として2008年に導入される健康診断です。
徳山芳治(とくやま よしはる)
略歴
- 昭和61年 千葉大学医学部卒業
担当分野
- 糖尿病代謝内科、内科一般
- 日本内科学会認定総合内科専門医
日本糖尿病学会認定研修指導医
日本糖尿病学会認定糖尿病専門医
糖尿病学習入院について
糖尿病は生涯お付き合いしなくてはならない病気です。
コントロールがうまくいかないと、失明したり、腎機能が悪化して透析を受けなくてはならなくなったりしますが、上手にお付き合いすることで、これらの合併症を防ぐことができます。
当院では8日間の入院で、皆様に糖尿病について学習し、効率よく合併症の検査をしていただけるプランをご用意しております。
ご自分の力で糖尿病をコントロールして、健康な生活がおくれますようぜひこの機会をご利用ください。
入院スケジュール
原則として月曜日から次の月曜日までの8日間です(病状によっては延長することもあります)。
学習内容
<糖尿病ってどんな病気?>
糖尿病になると体の中でどんなことが起こっているのでしょうか。
どんな検査をするのでしょうか、などについて学びます。
<合併症にはどんなものがあるの?>
糖尿病では合併症が大きな問題となります。
どんなものがあるのか、防ぐにはどうしたらよいのか学びます。
<オーダーメードの食事療法>
糖尿病でもっとも大事な食事療法。
一人一人の生活に合わせ、管理栄養士がご指導いたします。
<薬の使い方>
上手にコントロールするための強い味方、内服薬にもインスリンにもいろいろな種類があります。
インスリン治療に対する考え方もずいぶん変わってきました。
<効果的な運動療法>
運動は血糖値を改善します。また高血圧症、高脂血症などのいわゆる生活習慣病の改善にも非常に大切です。しかし、適切な運動を行わないと、かえって害になることもあります。
一人一人にあった運動療法を指導いたします。
糖尿病学習入院用資料
※画像をクリックすると拡大して見ることができます。
検査内容
<血糖日内変動>
食事の前と後では血糖値は変化します。
1日の血糖の変動を調べます。
<インスリン分泌能検査>
一般に糖尿病ではインスリン分泌が不足していると考えられますが、インスリン分泌が更新している方もいらっしゃいます。食事前後に血液で分泌量を調べる検査と、一日蓄尿して調べる方法で分泌能を調べます。
<腎機能検査(クレアチニンクリアランス、尿蛋白測定)>
糖尿病性腎症の検査です。
<トレッドミル>
運動をして心臓に負荷をかけ不整脈や狭心症が起こらないか調べます。
<ホルター心電図>
1日の心拍をすべて記録して、不整脈や狭心症が起こっていないかを調べます。
糖尿病では自覚症状のない狭心症がしばしば見られます。
<腹部エコー>
膵臓、肝臓などに異常がないか調べます。
<頸動脈エコー、脈波図検査>
頸動脈や全身の動脈硬化状態や下肢の血管閉塞を調べます。
<眼科受診>
網膜症、白内障などのチェックを行います。
糖尿病学習入院の効果
糖尿病コントロールの改善
糖尿病の学習入院を8日間行うことで、コントロールは改善するのでしょうか?
これまでに入院された皆様の、HbA1cを追ってみました。
入院前のコントロールは、不良の方も比較的良い方もいらっしゃいますが、学習入院を終えた後は、皆様コントロールが改善されているだけでなく、良い状態を維持されています。
合併症の検索と治療
糖尿病には、さまざまな合併症が知られています。
腎障害、目の網膜の障害、神経障害は三大合併症として有名ですが、最近では、全身の動脈硬化症が起こりやすいことがわかり、心臓や脳などの血管が詰まってしまう心筋梗塞や脳梗塞の危険が非常に大きいといわれています。
症例:O.K様 74歳 男性の場合
約20年前から糖尿病で薬を飲んでいたが、食事療法が守れずコントロールは不良であった。10年前心筋梗塞を起こしている。H15年5月HbA1cが8.6と不良で学習入院をした。
狭心症の症状である胸痛はまったくなかったが、学習入院のトレッドミルテストで虚血性の変化が見られ、翌日心臓カテーテル検査を受けたところ、心臓の血管に狭窄あり。
直ちに血行再建術を受けて、9日間で退院した。